ぎゃん…
2歳になったばかりの3男が、「ぎゃん、ぎゃん」と言いながら私が作ったガンプラのギャンを指さします。取ってくれとせがんでいるのです。私が「これは大事なものだから、そおっと触るんだよ」と言いながら渡すと、見よう見まねでそおっと手にしてニッコリ。
ですが、しばらくすると「ぎゃん、ぶーん」と言いながら手足を動かしたり、大胆に振り回したりします。
その度に私は冷や汗物で3男もとい「ぎゃん」の行く末を見守らねばなりません。
完成したばかり(とは言えスプレー仕上げ前ですが…)なのに壊れてしまっては、華々しく登場したのに1話で破壊されてしまうのと同じくらい悲しいことですからね(笑)。
だからと言って3男「ぎゃん」を取り上げてしまうと間違いなく泣いてしまうので、それも厄介です。
ですから、「さぁ、ぎゃんを格納しようねー」などと優しく、半ば誤魔化しながら「ぎゃん」を箱にしまい込むのですが…3男もしたたかなのか、妻に告げ口に行くのです。
そう、きっとこんな風に…(一部脚色があります)。
3男…泣きながら走り去る「エーン、エーン」(訳=チクショー、今に見てろよ)
3男「あっちゃ、あーっちゃ!」(訳=カーチャン、おいカーチャン)
妻「どうしたの? ペソ太(3男の愛称?)」
私のほうを指さしながら3男「ぎゃん、ぎゃん」(訳=ケチな親父がよぉ、ギャンを貸してくれねぇんだよぉ)
妻「そうなの。貸してもらえないの?」
3男…大きく何度もうなづき「うん、ぎゃん」(訳=ったく、何とかしてくれよ)
妻「うん、分かったわ。ちょっと待ってね」
3男…再度大きくうなづき「ぎゃん」(訳=おっ、話が分かるじゃねえか。そんじゃ、ひとつケチ親父にかましてやってくれ)
妻「ねぇ!」
私「…はい」
妻「貸してあげなさい!」
私「…はい」
3男…してやったり顔で手を差しだし「ぎゃん」
私「お願いだから壊さないでね」
3男…すでに視界から消えている「ぎゃん、ぶーん」
ギャン、もう一体作ろうかなぁ…。