弐条海月の とはずがたり

そこはかとなく書き綴るブログなるもの

2012年2月8日のGoogleロゴ…

本日2012年2月8日のGoogleロゴは、江戸時代中期の画家・伊藤若冲の生誕296年にちなんだものでした。モチーフになった作品は、静岡県立美術館に所蔵されている「樹花鳥獣図屏風」かと思えば、プライス・コレクション所蔵の「鳥獣花木図屏風」のほうでした。ネットのニュースを見ると「樹花鳥獣図屏風」がモチーフと間違って書かれているサイトがいくつか見受けられました。以下に私が「鳥獣花木図屏風」がモチーフであると思った理由について書こうと思います。

静岡県立美術館に所蔵されている「樹花鳥獣図屏風」(画像は静岡県立美術館のリンクでご確認ください)も、プライス・コレクション所蔵の「鳥獣花木図屏風」(画像は「若冲と江戸絵画」展 公式ブログフォトライフのリンクからご確認ください)も、確かにどちらもよく似た構図の作品であり、美しい色彩と「桝目描き」という独自の技法で描かれております。

これらは学者の方々によって「弟子による工房作である」「模倣作である」などと真贋のほどが取り沙汰されるところではあるのですが、それはまた別のお話。少なくとも今回のGoogleロゴは、アメリカ・カリフォルニアの「プライスコレクション」が所蔵する「鳥獣花木図屏風」のほうがモチーフであることは間違いないでしょう。理由は他国のGoogleのページにも同じロゴが採用されていること…もありますが、最も大きな決め手は、Googleロゴに描かれた白像の背に「敷物」が敷かれていること。この敷物は…静岡県立美術館に所蔵されている「樹花鳥獣図屏風」の白象にはなく、プライス・コレクション所蔵の「鳥獣花木図屏風」の白象にはあるんです。それが一番の決め手。

話を戻して、伊藤若冲本人についてふれておこうと思います。
Wikipediaの記事によると…

伊藤若冲は正徳6年2月8日(1716年3月1日)に生まれ寛政12年9月10日(1800年10月27日)に没した絵師。京にて活躍し、写実と想像を巧みに融合させた「奇想の画家」として知られています。

23歳のとき、父の死去に伴い、家業の青物問屋を継ぐも商売に熱心でなく、絵を描くこと以外に興味を持たなかったそう。家業が裕福であったことから、潤沢な時間と当時の最高品質の画材を使用して描かれた作品群は、200年以上経過した今も保存状態が良く、褪色も少ないと言われているそうです。そして40歳で隠居してからも数多くの作品を残したそうです。

伊藤若冲の代表作は、何と言っても身近な動植物を描いた「動植綵絵」シリーズ。完成に10年をかけたという全30幅の大作には動物、植物、昆虫などが驚くほどに写実的でありながら時にユーモラスに、いきいきと描かれております。また、鹿苑寺(金閣寺)の「大書院障壁画」も有名。中には対談にも釈迦を大根に見立て、その周囲をぐるりと様々な野菜が取り囲む「野菜涅槃図」という異色の作品も残しています。いずれにせよ、大変「遊び心」のある人物であったことは想像に難くないです。

話は変わって…「新聞記者の無知がジャーナリズムの崩壊を招いている…」というニュアンスの記事を読みましたけれども、まったくその通りであると思いました。Twitterやブログなどで誰もが情報を発信できる時代。つい先日もTwitterにて有名人が「ユーロ崩壊」の誤報を流したりしましたけれども、影響力のない一般人であっても記事を書く際には書き手の責任がついて回ることを十分理解しておかねばなりません。改めて再認識しました。

ていうか、Googleロゴの記事は夜に書くものではありませんね。時間的にも朝書かないと記事としての価値があまりないような気がします(笑)。


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