弐条海月の とはずがたり

そこはかとなく書き綴るブログなるもの

» 2011-07-07の日記

「Ubuntu 11.04」の日本語入力環境を改善する

「Ubuntu 11.04」のデフォルトの日本語入力環境(インプッドメソッド)は「Anthy(アンシー)」といい、お世辞にも優秀とは言い難いものがあります。そこで、Google日本語入力のオープンソース版である日本語入力環境「Mozc(もずく)」を入れてみます。今日はそのお話。

私はネットブック「HP 1000 mini VIVIENNE TAM Edition」のSDカードに「Ubuntu 11.04」を入れておりますが、少し使ってみて日本語入力環境の「Anthy」にバグがあるような気がしました。もしかしたら私の環境だけかもしれないのだけれど、入力中で変換前の文字列がいきなり消えてしまったり、変換から動作の途中でもたついたりおかしな挙動を示すことがありまして。

私の場合、もともとGoogle日本語入力のオープンソース版である「Mozc」が登場してからは「Anthy」を使うことはなかったので、すぐに「Mozc」を入れて解決を図ることにしたんです。

「Mozc」はUbuntuソフトウェアセンターで「IBus engine module for Mozc」を検索し、インストールすれば、依存関係にある関係ファイルもインストールされると思うので試してみてください。…なぜ「みてください」と投げっぱなしの表現をしているのかと言いますと、私はUbuntuソフトウェアセンターで「Mozc」を入れているのではなく、いつものようにモデファイされた「Mozc」を提供しているサイト「憩いの場」からダウンロードしてきた「Mozc」を入れているからです。

「Mozc」はオープンソース版ゆえに、驚異的な語彙を誇るGoogleの辞書を使っているわけではないので、どうしても本家に比べると変換効率が劣ってしまいます(それでもAnthyに比べるとかなり使いやすいのですけれども)。「憩いの場」でモデファイされた「Mozc」は、辞書をチューンしているので通常版に比べて変換効率が高いのが嬉しいんですよね。

一般的な例ではありませんけれどもボカロことVocaloid「初音ミク」とか「鏡音リン・レン」「巡音ルカ」だけでなく、派生キャラクターの「弱音ハク」「重音テト」「欲音ルコ」なども変換してしまう実力派(笑)。こういった語句の需要がどこにどれだけあるのかは分かりませんけれども、逆に考えればこういったサブカルチャーな語彙を変換できるのですから、一般的な言葉など余裕でOKなのかもしれないですよね。

ものすごく興味が沸いた方のために、以下にモデファイ版「Mozc」のインストール方法を示しておきますね。WindowsやMacをお使いで「MS-IME」(私は好きではないです)とか「ことえり」(私は大好きです)から乗り換えたい方は「Google日本語入力」で検索し、ダウンロード&インストールしましょう。きっと余計なことを意識せずに快適な日本語入力環境を手に入れることができるでしょう。しかも無料で(←ここ大事)。

Ubuntuをお使いの方は、以下の方法で「Mozc」をインストールしましょう。最近は「Ubunutu 11.04 日本語化」の関連でこのサイト『弐条海月の「とはずがたり」』を訪れてくださる方がとても増えているので、できるだけ分かりやすいように気を付けて書いてみました。どうぞ参考になさってくださいませ。

まずはサイト「憩いの場」に移動します。「Ubuntu 11.04」の32ビット版の場合、必要になるのは以下の3ファイルです。

  • 「Ubuntu_11.04/mozc-server+dict_1.1.717.102-2+20110525~test3~ppa3_i386.deb」
  • 「Ubuntu_11.04/ibus-mozc_1.1.717.102-0~test1~ppa3_i386.deb」
  • 「Ubuntu_11.04/mozc-utils-gui_1.1.717.102-0~test1~ppa3_i386.deb」

ダウンロードしたdebファイルは、ユーザディレクトリ内のフォルダ「ダウンロード」の中にあります。これをダブルクリックすることで実行できます。もしくはお使いのブラウザがデフォルトのFirefoxならば「ダウンロードマネージャ」という小窓に表示されているファイルをダブルクリックすることでも実行できます。

インストールの前に注意事項ですが、「Mozc」のインストールは上に表示した順番で行ったほうが良いです。順番によっては依存関係を満たせないと表示されインストールが進みません。ここでは「そういうものなんだー」と思っておけば良いと思います。

debファイルを実行するとUbuntuソフトウェアセンターが自動で開きます。マシンや環境によって少し待ち時間があるかもしれませんが、しばらくするとUbuntuソフトウェアセンターのウィンドウ右上あたりにダブルクリックしたファイルのインストールボタンが表示されます。それを押せばインストールが始まります。しばらく待つと、ウィンドウに「インストール済み」の文字が表示され、先ほどのインストールボタンの名称が「再インストール」に変わっています。そうすればインストールは成功。Ubuntuソフトウェアセンターの窓を閉じて、次のファイルをインストールしていきます。

もしかしたら「パッケージの品質が悪いです」という注意喚起のダイアログが表示されるかもしれません。これはソフトウェアセンター経由ではないインストールの場合に表示されることがあります。今回の場合は気にせずインストールします。諦めたらそこで試合終了ですからね(笑)。

上に挙げた3つのファイルのインストールが終われば「Mozc」の導入は終了…と思いきや、それだけでは「Mozc」は使えるようになりません。あとひと手間かける必要があります。その前に、再起動を。再起動しないとMozcが認識されないので…。

再びUbuntuが立ち上がりましたら「システム > 設定 > キーボード・インプッドメソッド(IBusの設定)」というウィンドウを開き、タブ「インプッドメソッド」を表示。そこに「Mozc」を追加します。

ボタン「インプッドメソッドの選択」を押し「日本語 > Mozc」を選択。ボタン「インプッドメソッドの選択」が「Mozc」に変わっているのを確認し、右側のボタン「追加」を押します。

下のインプッドメソッドの項目に表示されていた「Anthy」の下に「Mozc」が追加されるはずなので、「Mozc」を選択し右のボタン「上へ」を押し一番上になるようにします。「Mozc」が太字になれば適用されている状態なので、ウィンドウを閉じます。

ここからは「Mozc」を使いやすくするための設定について書きます。今までUbuntu以外のOSを使っていた、あるいは何らかの有名な日本語入力環境を使っていた方は必見です。

「システム > 設定 > キーボード・インプッドメソッド(IBusの設定)」を開き、タブ「インプッドメソッド」を表示。「言語パネルの表示」の設定を「アクティブであるとき」にします。ウィンドウを閉じてCtrl+Spaceキーで「Mozc」を起動すると、右側に「Mozc」のツールバーが表示されているはずです。ツールバー内のスパナみたいなアイコンをクリックし、「Mozcの設定」をクリック。表示された「Mozcプロパティ」のウィンドウ内にあるキー設定のキー設定の選択でお好きなインプッドメソッド名を選びます。

私は普段はMacBook Pro(Early 2011)を使っておりまして、以前から「ことえり派」なので、設定名は「ことえり」を選びます。「Mozc」の設定で他にいじるところは特にないと思います。これで十分実用に耐えうる日本語入力環境が手に入りますよ。


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