「Jolicloud 1.1」を試す…
ネットブック「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」に「Jolicloud 1.1」を入れてみました。その話です。「Jolicloud」はUbuntuベースのLinuxディストリビューションのひとつなのですが、フランスで開発されているクラウドに特化したOS です。系統で言えばGoogleのChrome OSと同じものでしょうけれども、実際に「Jolicloud」のほうはすでにプリインストールマシンまでリリースされており、現段階では一歩先を進んでいる感じです。あまり知られてはいないかもしれませんが。
2009年に「Jolicloud」のα版がリリースされた当時、私はテスター登録への申請を出してダウンロードし使ってみました。以降、プレβ版、正式な1.0とリリースのたびに試してきましたが、α版のころからテストをしているせいか、プレβ版の時に「創立会員」扱いになっておりました(笑)。
ちなみに2010年のプレβ版リリース後は誰でも公式サイトからダウンロードすることができるようになっていて、1.0は夏にリリースされました。現在の最新バージョンである「Jolicloud 1.1」は2010年12月にリリースされましたが、私は何かと忙しい時期だったということも重なって試すのが遅れてしまいました。
このOSは、基本的にインターネットに常時接続のマシンが対象となっています。通常のログインの他に、Facebookのアカウントでログインすると、ローカルで動作する従来のLinuxアプリケーションと、Webアプリがランチャー上で共存しているのに驚きます。このランチャーはHTML5をベースに作られていて、他のマシン上で動作しているChromeブラウザでJolicloudのサイトにアクセスしログインすると、Jolicloudをインストールしている自分のマシンと同じデスクトップが現れます。
そこではもちろん、自分のマシンにあるローカルアプリやローカルファイルは動きませんが、Dropboxなどに保存しているファイルをWebアプリで編集することはできます。また、ブラウザ上のJolicloudでローカル用アプリ、Webアプリを問わずインストールすることができ、自分のマシンの Jolicloudを立ち上げた際にはインストールしたアプリケーションが反映されるのには、ちょっと感動します(笑)。
Facebookのアカウントを利用しているので、もちろんソーシャルネットワーク機能も豊富です。アプリケーションのインストール、アンインストールの記録が残るので、フォローしている人のアプリ履歴が分かったり、その人が付けたアプリケーションの評価も分かるということで、アプリケーションの好みや情報がコミュニティで共有されることになります。
ここまで書いて、Jolicloudに触ってみた結論。常時ネット接続の環境で使うとは限らないこと、Facebookを活用していないことから、私にはいらない機能と思いました。とても将来が楽しみなLinuxディストリビューションではありますが、私はJolicloudはサブで使うこととし、メインはやっぱりUbuntuにしようと思いました。