弐条海月の とはずがたり

そこはかとなく書き綴るブログなるもの

「Modified Mozc」の実力…

ネットブックにインストールした「Linux Mint 12」の日本語入力環境を「憩いの場」さんによるモデファイ版「Mozc」の「Modified Mozc」に変更しました。せっかくなのでその実力を試してみることにします。私が以下に示す例が一般的かどうかはさておき、日本語入力環境の優劣を知るのにある意味役に立つのではないかと思って、いちおう書いておくことにします(笑)。

変換したい語句「初音ミク」の場合

×「Anshy」…当たり前のように「初値ミク」を候補に表示。
○「Mozc」…サジェストに「初音ミク」と正しく表示。
◎「Modified Mozc」…サジェストに「初音ミク」「初音みっくす」「初音ミクの消失」まで表示。

もうこれだけでお分かりではないでしょうか(笑)。付け加えるならば、「Mozc」ではサジェストにも表示されないボカロことVocaloid「初音ミク」の姉妹である「鏡音リン・レン」「巡音ルカ」も表示します。

変換したい語句「とある魔術の禁書目録」の場合

また「とある魔術の禁書目録」という文字を入力したかったとして、「とあるまじゅつのいんでっくす」とまずは入力。変換すると「Mozc」でもサジェスト表示はできず普通に変換しても「とある魔術のインデックス」ここまでが限界。どう考えても普通は「いんでっくす」を「禁書目録」とは変換できないですよね。これは辞書登録でもしない限り難しいのが現状でしょう。

ですが「Modified Mozc」ならば、そんなことは問題にしません。「とあるまじゅつのいんでっくす」と入力すれば「とある魔術の禁書目録」と正しく変換できます。ていうか…実は「とあるまじゅ」まで入力すればサジェストに「とある魔術の禁書目録」と出てくるのでした(爆)。これで「Linux Mint 12」または「Ubuntu 11.10」での日本語入力に死角なし…といった感じですね。


やっぱり「Modified Mozc」だね

前回までに「Linux Mint 12」で使う日本語入力環境をデフォルトの「Anthy」から「Mozc」へと変更しました。変換効率が大きく上がったのを確認したのだけれど、やっぱり物足りない…。それもそのはず。「Mozc」はあくまで「Google日本語入力」のオープンソース版であり、Googleの資産である豊富な語彙の辞書を有してはいないのです。そこで「憩いの場」さんというサイト(http://linux.ikoinoba.net/)で公開されている辞書を強化した「Modified Mozc」を使うことにしました。以前も同様の記事を書いているのだけれど、改めて書いてみることにします。なお「Ubuntu 11.10」でも同様の方法で「Modified Mozc」を導入することができます。

「憩いの場」さんが提供している「Modified Mozc」を入手するのに、以前は直接3つの「Mozc」を動作させるのに必要な3つの関連ファイルをダウンロードし、手動でインストールしておりました。今回は「憩いの場」さんが公開しているリポジトリを追加して「ソフトウェアの管理(Ubuntuではソフトウェアセンター)」から「Modified Mozc」を追加することにします。

リポジトリの追加は「ターミナル(端末)」にて以下のコマンドを入力すればOKです。

sudo add-apt-repository ppa:ikoinoba/ppa

リポジトリは追加した後で有効化しなければなりません。そのためにデスクトップのメニュー上にある盾の形をしたアイコンをクリック、パスワードを入力して「アップデートマネージャ」を開きます。

「アップデートマネージャ」が開いたら、更新ボタンを押してしばらく待ちます。追加されたリポジトリが有効になると、いくつかのファイルがダウンロード、インストールされます。

続いて「ソフトウェアの管理(Ubuntuではソフトウェアセンター)」で「Modified Mozc」を追加します。「ソフトウェアの管理(Ubuntuではソフトウェアセンター)」の検索窓に「mozc」と入力します。あらかじめ通常版の「mozc」をインストール済みであれば、検索結果の一覧の中にチェックのついたアイコンが3つあるはずです(ibus-mozc、mozc-server、mozc-utils-gui)。

このうち「mozc-server」を削除し、その代わりに「mozc-server+dict」を選択、インストールします。再度「mozc」で検索結果の一覧を表示し、チェックのついたアイコンが画像と同じ状態(ibus-mozc、mozc-server+dict、mozc-utils-guiの3つ)になっていればOK。「ソフトウェアの管理(Ubuntuではソフトウェアセンター)」を閉じましょう。


無事に「Modified Mozc」のインストールが終わったならば「ibus」を再起動しましょう。あらかじめ「mozc」を追加してあったならば、「ibus」の再起動だけで使えるようになっているはずです。


もし新規で「mozc」を追加したのであれば、デスクトップのメニュー上のキーボードのようなアイコンZ(ibusのアイコンです)をクリックし「設定」を選択します。


ウィンドウ「IBusの設定」が立ち上がったら、タブ「インプッドメソッド」に切り替え「インプッドメソッドの選択 > 日本語 >Mozc」を選択します。


「Mozc」を選択したら右側のボタン「追加」を押します。するとインプッドメソッドのリスト一覧に「Mozc」が追加されるはずです。


この状態では「Anthy」が優先になっているので、「Mozc」をリストの最上位に上げます。「Mozc」しか使わないのであれば「Anthy」を選択してボタン「削除」を押すのもアリです。お使いのパソコンから消えてしまうわけではないので、使いたくなったら「追加」すれば良いのです。設定が終わったらウィンドウを閉じましょう。


AnthyからMozcへ…

日本語化を済ませた「Linux Mint 12」ですが、デフォルトでは文字入力に必要なインプットメソッド・フレームワーク「ibus」と、日本語変換用のインプッド・メソッド「Anthy」を組み合わせて日本語入力を行う仕組みになっております。残念なことに「Anthy」はあまり変換精度がよくありません。「Anthy」を使って文字入力をしていて「悩まされている…」と変換したかったのに「悩まされテイル…」と変換された時には「それはないだろう!」と思いました。「悩まされテイル=苦悩する尻尾」思わず笑ってしまいましたけれども。その時私は「やはり日本語入力環境は賢くなければダメだ」と思い、別のインプットメソッドを使うことに決めたのです(笑)。それはあの「Google日本語入力」のオープンソース版であるインプッド・メソッド「Mozc」。これを「Linux Mint 12」にインストールします。その手順です。

「Mozc」の追加は、「Mint Menu」の左側にある十字の星形のアイコン「ソフトウェアの管理」で行います。「ソフトウェアの管理」の検索窓に「Mozc」と入力。検索結果のリストにある「ibus-mozc」をクリックし、ボタン「インストール」を押しパスワードを入力して導入します。以前にも書いたのだけれど、私の環境ではインストールの進捗状況を正しく表示できないようです。

しばらく待ってから、ウィンドウ上部のボタン「カテゴリ」を押して「ソフトウェアの管理」のトップぺージに戻り、再度「mozc」で検索…検索結果表示の「mozc」のアイコンに、インストール済みを示す緑色のチェックが入っていれば、インストールは完了しています。ちょっと面倒だけれど現状はこの方法をとるしかないです。

「mozc」の追加が終わったら、デスクトップ上部のメニューバーにあるキーボードのようなアイコンをクリック、「設定」を選びます。

ウィンドウ「iBusの設定」が開いたら、タブ「インプッドメソッド」を開き、「インプッドメソッドの追加 > 日本語 >Mozc」を選択、右の追加ボタンを押して一覧に追加します。現状では「日本語 – Anthy」が太字になっておりますが、「日本語 – Mozc」が一番上にくるようにしたら、ウィンドウ「iBusの設定」を閉じてください。

ちなみにウィンドウ「iBusの設定」のタブ「一般」にて、項目「フォントとスタイル」の「言語パネルの表示」は、デフォルトの「メニューに組み込む」より「アクティブであるとき」にしておいたほうが使いやすいと思います。言語パネルが表示されていると、日本語入力環境のプロパティであるとか、辞書登録などのメニューが選択できるようになるので。

実際に「Anthy」から「Mozc」に切り替えるためには、「ibus」を再起動すると良いです。


Mozcのプロパティと辞書ツール

 ネットブック「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」にUbuntu10.10を入れて使い始めました。日本語入力には純正のiBUS + Anthyの組み合わせではなく、SCIM + Mozcの組み合わせで使い始めたのですが…すぐに問題が発生しました。その問題とは…。

 問題とは、SCIMの設定画面上でMozcの設定が変更できないですし辞書ツールも見つからない…というもの。日本語入力時に表示されるSCIMのツールバー上にもMozc関連のプロパティ表示と辞書ツールが見つからない…。Ubuntu9.04の時は使えていたのに…。おかしいと思い「Ubuntuソフトウェアセンター」でMozc関連のアプリケーションを検索
しますと…出てきたのが「GUI utilities of the Mozc input method」。見た瞬間「嗚呼、これだ」と思いました(笑)。すぐにインストールして念のため再ログインすると…ビンゴです(笑)。設定も辞書ツールも使えるようになりまし
た。ただし…SCIMのせいなのか画面のGUIが古くさい(笑)。まるで往年のJavaアプリのようなGUIなんです。「これはないだろう…」

写真は…参考のために言語サポートのウィンドウと並べて表示してみました。

Mozcのプロパティも辞書ツールも頻繁に使うものではないのですが…やはり気になる。ということで、iBusに対応したMozc「Mozc engine for IBus」をインストールして確認してみることにしました。

IBusの設定画面でインプッドメソッドにMozcを追加。優先順位をAnthyよりも上位にしましたがすぐに使えるようにはなりませんでした。やはり再ログインが必要でしたよ。

再ログイン後はiBusでMozcが使えるようになりましたが…やはり残念ながらプロパティも辞書ツールもGUIが古くさいままでした(笑)。ガッカリ。

従来はSCIMとAnthyの組み合わせが最強だと思っておりましたが、SCIMとMozcの組み合わせではSCIMの優位性が薄い気がします。だったらSCIMにこだわらずiBusでいいのでは…と思い直し、iBusメインで使っていくことにしました。
SCIMは…放置しておいても良いのですが一応Ubuntuソフトウェアセンターから削除しておきました。自動で「Mozc for SCIM」も削除されました。IBusのAnthy自体も不要になるので、ここでAnthy辞書エディタも削除しておきます。Anthy自体はIBusの設定画面で削除します。

改めて思うこと…。とにかくMozcは優秀。使い安いことこの上なしです。日本語入力に対してなんの不安もなくなることは多大なストレス軽減になります。あとは入力する文章の内容にさえ注力すれば良いことになるのですから。


Ubuntu10.10でMozcを使う。

 ネットブック「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」にUbuntu10.10を入れて使い始めました。今回はUbuntu10.10を起動してからのレビューです。インストール前の試用時に心配していた不完全な日本語化は問題ありませんでした。完全に日本語化されておりインプッドメソッドもiBUSにAnthyが入っておりました。NetBookに特化されたUI「Unity」にまだ違和感を感じるのですが、アプリケーションなどの起動も前より早くなっている印象があります。

 β版にあったシステムのもたつき感がないようなのですぐに使えますね。ただし…Unityが使いにくいなぁと思う瞬間…それは左側のDock内にあるアプリケーションを押すと、システム関連のアプリケーションまで一般のアプリケーションと統合されてしまっていること。カテゴリからシステムを選べばフィルタリングされるのですが、アクションが多くなるので面倒なんです。何度も使っていけばよく使うアプリケーションとして上部に表示されるようになるので幾分ラクになっていくのですが…。

 それからUbuntu10.10もデフォルトの日本語入力環境がIBusなのがちょっと…。私は標準のIBusよりも、以前から慣れ親しんでいるSCIMのほうが好きなので「Ubuntu ソフトウェアセンター」にて使い慣れたSCIMをインストールすることにしました。IBusからSCIMに切り替えるには、説明不要ですが「言語サポート」からキーボード入力に使うIMシステムを「scim-bridge」にします。それから「Google日本語入力」ベースになっている「Mozc」を入れます。これも「Ubuntu ソフトウェアセンター」にて「Mozc engine for SCIM」をインストールすればOKです。ただし、SCIMを入れた後、Mozcを入れた後はログインし直さなければ反映されないので注意です。


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