弐条海月の とはずがたり

そこはかとなく書き綴るブログなるもの

「Linux Mint 13 “Maya”」を使ってみる

先月リリースされた「Linux Mint」の最新版「Linux Mint 13 “Maya”」を試してみることにしました。「Ubuntu 12.04」の「Unity」にどうしても馴染めない感じがするからです。久々に「Linux Mint」の公式サイトをのぞいてみると…「13 “Maya”」がリリースされておりました。ところが、「Linux Mint 13 “Maya”」はデスクトップ環境が2つあるみたいです。そんなお話。

「Linux Mint 13」は「Ubuntu 12.04」を下地にしておりながら、GNOME 2をベースにした「MATE」をデスクトップ環境として採用しているため、”今まで通りの感覚”で使うことができます。これって結構、大切なことではないかと私は思うのですけれども、もうひとつ「Cinnamon」という新しいデスクトップ環境があるんです。

せっかくだから、両方試してみることにしまして、VirtualBox内に仮想マシンを2つ作成。「Linux Mint」の公式サイトから「Linux Mint 13」を2種類ダウンロードして早速インストールしてみました。

まずは「Linux Mint 13 MATE Edition」。「Linux Mint 12」と同じような感じです。スタートメニュー(?)を押した時に表示される「mintMenu(Applicationランチャーみたいなもの)も同じなので違和感がありません。ただ私はMac派なので、メニューバーはBottomではなくTopにし、ウィンドウの閉じるボタンなどは右ではなく左側にして使っております。

さて次は「Linux Mint 13 Cinnamon Edition」。先ほどの「MATE Edition」は32ビットOSをインストールしましたが「Cinnamon Edition」は64ビットにしました。理由は「何となく」です(笑)。で、「Cinnamon」はGnome3
をもとにした新しいデスクトップ環境。ただ3Dアクセラレーターを必要としており、MATEのように成熟して安定していないようで、私の環境ではメニューバーのカスタマイズ項目はあれど、変更しても反映されない状態でした。まだ発展途上のデスクトップ環境なのでしょうかね。

「Linux Mint 13」のディスプレイマネージャーは、どちらのエディションもGDM 2.20をベースにした「MDM(Multiseat Display Manager)」というもので、言語、ユーザの切り替えなどを視覚的に行うことができます。テーマは洗練されていて美しい「Mint-X」「Mint-Z」がデフォルトで選べます。

また、「Linux Mint」ではデフォルトの検索エンジンがYahoo!であるところも良いです。ほかにDuckDuckGoとAmazonが用意されています。

「MATE」「Cinnamon」の両エディションは、ベースと鳴っている「Ubuntu 12.04」と同様に2017年4月までのサポートされるLTS版となっています。

取りあえず安定している「MATE Edition」を使うことにします。色々と忙しいので環境構築にはまだまだ時間がかかりそうですが(笑)。


「Modified Mozc」の実力…

ネットブックにインストールした「Linux Mint 12」の日本語入力環境を「憩いの場」さんによるモデファイ版「Mozc」の「Modified Mozc」に変更しました。せっかくなのでその実力を試してみることにします。私が以下に示す例が一般的かどうかはさておき、日本語入力環境の優劣を知るのにある意味役に立つのではないかと思って、いちおう書いておくことにします(笑)。

変換したい語句「初音ミク」の場合

×「Anshy」…当たり前のように「初値ミク」を候補に表示。
○「Mozc」…サジェストに「初音ミク」と正しく表示。
◎「Modified Mozc」…サジェストに「初音ミク」「初音みっくす」「初音ミクの消失」まで表示。

もうこれだけでお分かりではないでしょうか(笑)。付け加えるならば、「Mozc」ではサジェストにも表示されないボカロことVocaloid「初音ミク」の姉妹である「鏡音リン・レン」「巡音ルカ」も表示します。

変換したい語句「とある魔術の禁書目録」の場合

また「とある魔術の禁書目録」という文字を入力したかったとして、「とあるまじゅつのいんでっくす」とまずは入力。変換すると「Mozc」でもサジェスト表示はできず普通に変換しても「とある魔術のインデックス」ここまでが限界。どう考えても普通は「いんでっくす」を「禁書目録」とは変換できないですよね。これは辞書登録でもしない限り難しいのが現状でしょう。

ですが「Modified Mozc」ならば、そんなことは問題にしません。「とあるまじゅつのいんでっくす」と入力すれば「とある魔術の禁書目録」と正しく変換できます。ていうか…実は「とあるまじゅ」まで入力すればサジェストに「とある魔術の禁書目録」と出てくるのでした(爆)。これで「Linux Mint 12」または「Ubuntu 11.10」での日本語入力に死角なし…といった感じですね。


AnthyからMozcへ…

日本語化を済ませた「Linux Mint 12」ですが、デフォルトでは文字入力に必要なインプットメソッド・フレームワーク「ibus」と、日本語変換用のインプッド・メソッド「Anthy」を組み合わせて日本語入力を行う仕組みになっております。残念なことに「Anthy」はあまり変換精度がよくありません。「Anthy」を使って文字入力をしていて「悩まされている…」と変換したかったのに「悩まされテイル…」と変換された時には「それはないだろう!」と思いました。「悩まされテイル=苦悩する尻尾」思わず笑ってしまいましたけれども。その時私は「やはり日本語入力環境は賢くなければダメだ」と思い、別のインプットメソッドを使うことに決めたのです(笑)。それはあの「Google日本語入力」のオープンソース版であるインプッド・メソッド「Mozc」。これを「Linux Mint 12」にインストールします。その手順です。

「Mozc」の追加は、「Mint Menu」の左側にある十字の星形のアイコン「ソフトウェアの管理」で行います。「ソフトウェアの管理」の検索窓に「Mozc」と入力。検索結果のリストにある「ibus-mozc」をクリックし、ボタン「インストール」を押しパスワードを入力して導入します。以前にも書いたのだけれど、私の環境ではインストールの進捗状況を正しく表示できないようです。

しばらく待ってから、ウィンドウ上部のボタン「カテゴリ」を押して「ソフトウェアの管理」のトップぺージに戻り、再度「mozc」で検索…検索結果表示の「mozc」のアイコンに、インストール済みを示す緑色のチェックが入っていれば、インストールは完了しています。ちょっと面倒だけれど現状はこの方法をとるしかないです。

「mozc」の追加が終わったら、デスクトップ上部のメニューバーにあるキーボードのようなアイコンをクリック、「設定」を選びます。

ウィンドウ「iBusの設定」が開いたら、タブ「インプッドメソッド」を開き、「インプッドメソッドの追加 > 日本語 >Mozc」を選択、右の追加ボタンを押して一覧に追加します。現状では「日本語 – Anthy」が太字になっておりますが、「日本語 – Mozc」が一番上にくるようにしたら、ウィンドウ「iBusの設定」を閉じてください。

ちなみにウィンドウ「iBusの設定」のタブ「一般」にて、項目「フォントとスタイル」の「言語パネルの表示」は、デフォルトの「メニューに組み込む」より「アクティブであるとき」にしておいたほうが使いやすいと思います。言語パネルが表示されていると、日本語入力環境のプロパティであるとか、辞書登録などのメニューが選択できるようになるので。

実際に「Anthy」から「Mozc」に切り替えるためには、「ibus」を再起動すると良いです。


「Linux Mint 12」のインストール

ネットブックに入れている「Ubuntu 10.04」の無線LANの調子がどうもよろしくありません。起動するたびに無線LANネットワークが無効になっていて、いちいち再設定をしなくてはなりません。以前はこんなことはなかったのに、バージョンアップが原因なのでしょうか…。再インストールしても状況が改善せず。そこで今春リリースされる「Ubuntu 12.04」にあまり期待できないこともあるので、Linux Mintの最新版である「Linux Mint 12」を試してみることにしました。その記録です。

「Linux Mint 12」は、「Ubuntu 11.10」がベースになっております。前回の「Linux Mint 11」はしばらく使いましたけれども、私のネットブックでは若干もっさりとした印象がぬぐえませんでした。特にWindowsで言うところのスタートメニューとも言えるアプリケーションランチャー「Mint Menu」が重いのです。今度の「Linux Mint 12」はその辺りに手を入れているらしいので期待が高まります。

調べてみると、「Linux Mint 12」は「GNOME 3」を利用しながらもユーザインターフェースは「GNOME Shell」を使わず、ある意味Windowsっぽい、見慣れたUIを利用しています。これは「Ubuntu」の新UI「Unity」が使いにくいと思っている人には良い選択肢になり得るのではないでしょうかね。

というわけで、まずは「Linux Mint 12」をLiveCDで起動したところ、GUIは相変わらず洗練された美しいものであり、重たい印象だったMint Menuも改善されており期待が持てました。で、さっそくインストールを始めたのだけれど、インストール中に長らく放置していたせいか途中でスリープ状態(?)になり、そこから復帰しなくなったため強制的にリセット。そんな感じでインストールを諦めねばならないことが2度ありました(笑)。

で、3度目の正直とばかりにインストールを見守ることにし、心配なので途中でマウスカーソルを動かしてみたり(笑)。今度は無事にインストールすることができました。

思えば「Ubuntu 11.10」の時も同じようなことが起きたような気がしますけれども、どうやらスリープ後に復帰できなくなることがあるようです。これは後に調べてみないといけませんね。

ただ、私が使っているネットブック「HP 1000 mini VIVIENNE TAM Edition」は画面の縦解像度が576pxし
かないため、インストール時にウィンドウが隠れてしまいボタンが押せないことが何度かありました。それでも「alt」キーを押しながらドラッグすることで隠れているボタンを表示させることができるので事なきを得ました。

Intel MacやWindowsをお使いの場合は、フリーのエミュレーターアプリ「VirtualBox」で気軽に「Linux Mint 12」を試すことができます。Windowsの場合は、エミュレーターを介さずWindowsの入っているパーティションと同一の場所に「Linux Mint 12」をインストールする方法もあるようです。この方法だと「Linux Mint 12」が不要になれば通常のアプリケーションと同じように簡単にアンインストールすることもできるので、気軽に試せるのではないかと思いますよ。

私は仕事でやむなくWindowsを使い、自宅ではMacを愛用している私ですが、UbuntuやLinux MintなどのLinuxディストリビューションにも大いに魅力を感じております。ぜひOSに使われるのではなく、自分でOSを選び使いこなす…そんな喜びを多くの人に感じてほしいと思います。そのためにはLinuxの敷居がもっと低くなり普及が進めば良いなぁと願って止みません。

そんなことを考えているうちに「Linux Mint 12」のインストールは終わっておりました。しかし、このままでは日本語表示が十分ではないばかりか、日本語入力ができません(笑)。次回は不完全な日本語環境をなんとかする方法について書きます。


固定ページ

最近の投稿

カテゴリー





カレンダー

2024年3月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

過去の日記はこちら

キーワードで検索